【読みやすい】村上春樹の小説5選!|初心者へのおすすめ作品をセレクトしました。

村上春樹。

大学時代にすっかり彼の文章に惹かれ、ひたすら読み進めていき、気づいたら彼の長編小説はほとんど読み終えていました。

大学の授業には出ずに、村上春樹の小説を持ってカフェへ…という怠惰な日々も、今ではいい思い出かもしれません…(よくない)

村上春樹のおすすめの作品を聞かれた時に、 「ねじまき鳥クロニクル」や「1Q84」を挙げるんだけど、

途中で読むのを止めてしまった」という残念な報告を受けてしまったことがあります…

確かに、ちょっと癖のある文章というのもあるし、いきなり数冊に渡る長編小説をすすめるのは、提案ミスだったように思う。

そんな経験もあり、今回は、

まだ村上春樹を読んだことがないという人に向けて、 とにかく「読みやすい」という基準で作品をセレクトしてみたいと思います。!

この記事を見て、彼の作品を読んだことのない人でも、とりあえず読みやすい一冊を読んで、いい村上春樹デビューをしてもらえたらと思います!

①風の歌を聴け

〜あらすじ〜

1970年の夏、大学生の「僕」は海辺の故郷で過ごす。 行きつけの「ジェイズ・バー」で友人の鼠と「まるで何かに取り憑かれたように25メートル・プール一杯分ばかりのビール」を飲み続ける退屈な夏。ある日、小指のない女の子と出会い親しくなるが、2人の中が進展することはなく、夏はただ物憂げに過ぎ去っていく…

〜おすすめポイント〜

主人公の「僕」は、ジェイというバーテンダーがやっている「ジェイズバー」に足しげく通い、友人の「鼠」とひたすらビールを飲むんだけれど、

このジェイズバーが、すごく憧れるんだよなぁ

そうそう、そういえば大学生の時に、兵庫へ一人旅に行き、このバーのひとつのモデルとなったというお店を訪れたほどです。そこで、落花生かなにかと一緒に、飲めないビールを頑張って飲みました。(笑)

すぐに読めてしまうし、 大学生の渇いた青春みたいなものが、村上春樹のちょっとかっこよくておしゃれな文体で楽しめます。

村上春樹のデビュー作にして、 「僕と鼠」シリーズ4部作の1作目となっています。

この作品を読んで面白い!となったら、 ぜひ、続編の 『1973年のピンボール』 『羊をめぐる冒険』 『ダンスダンスダンス』 と読んでみてください。

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②ノルウェイの森

〜あらすじ〜

ハンブルグ空港に着陸したばかりの機内にBGMの「ノルウェイの森」が流れ出した瞬間、37歳の僕は混乱に襲われた。ビートルズのこの曲は、大学時代の記憶に結びついていた。入学したばかりの僕は、自殺した親友の恋人・直子と再会した。彼女の誕生日に2人は一夜を過ごすが、精神のバランスを崩した直子は療養施設で生活するようになる。僕は何度も手紙を書き、施設にも訪れるが、やがて同じ学部の緑にひかれ始める。

〜おすすめポイント〜

この小説は「恋愛小説」とされていて、 ちょっと多すぎなのでは!と突っ込みたくなるくらい、主人公がセックスをするので(その描写はとても秀逸なんだけど) 、ちょっと勘違いされてしまう作品かもしれないけれど、

死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。

という言葉にもあるように、 実は「喪失からの再生」という大きなテーマを持った、「成長小説」になっています。

そして、 直子、緑、永沢さん、レイコさん… 登場するキャラクターもみな魅力的です。

上下巻2冊あって、「読みやすい」という今回のテーマでの選出に迷いましたが、文章としては読みやすく、すらすら読み進めていけると思うので、おすすめの一冊として選びました。

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③国境の南、太陽の西

〜あらすじ〜

東京青山で2軒のジャズバーを経営する「僕」。 4LDKのマンションで妻と2人の娘に囲まれながら円満に暮らし、 BMWなど会社2台と別荘も手にした。順風満帆に思える日々が過ぎる中、 「僕」は小学校の頃に好きだった島本さんに再会。特殊な吸引力に引き寄せられるように彼女にのめりこみ、すべてを捨てる覚悟を持って彼女と一夜を過ごす。

〜おすすめポイント〜

この小説は個人的にとても好きです。

幸せな結婚生活、そして成功を手にしている主人公の前に、 昔好きだった人が現れ、その人に惹かれて、心を持って行かれてしまう…

好きな人を追うのって、とても素敵なことで、ある種仕方のないことだと思います。 でもやはりこの主人公の状況下においては、本当に大切なものを見失ってしまう、とても危険なことだった。

とても儚いけれど、なんだか考えさせられる、ちょっと大人なストーリーです。

終始リアリズム小説と思いきや、ラストは意外の展開も。

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④スプートニクの恋人

〜あらすじ〜

「ぼく」は、2歳下で小説家志望のすみれに恋していた。だが、自分の気持ちを伝えることができずにいる。そんな中、すみれが22歳の春、17歳も年上の女性・ミュウーすみれの言う「スプートニクの恋人」ーとの恋物語が始まる。すみれはミュウの下で働き始めたのだが…。

〜おすすめポイント〜

スプートニク。

この小説を読むまで知らなかったけれど、ロシア語で「旅の道連れ」を意味する、 旧ソ連が開発した初の人工衛星なんだそうです。(2号には、ライカ犬が搭乗していたそう。)

「さえぎるものもない宇宙の暗黒の中でふとめぐりあい、別れていく」という文があるように、「絶対的な孤独の象徴」として登場しています。

想像すると、本当に果てしない孤独なんだよなぁ…

物語はすみれとミュウ、女性同士の恋愛を描いていたり、舞台は途中からギリシャの島へと渡ったり。 そして多少のシュールリアリズムを含むこの物語は、独特なものがあるけれど、引き込まれるものがあります。

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⑤色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

〜あらすじ〜

多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。何の理由も告げられずに…。死の淵を一時さ迷い、漂うようにいきてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。

〜おすすめポイント〜

死ぬことばかりを考えて生きている主人公。 そんな主人公が、高校時代の友人を一人一人訪ねていく。
ある意味で、この作品もノルウェイの森のような、「喪失と再生」の物語となっています。

村上春樹にはまってから、初めて「リアルタイム」で発売したのがこの小説でした。

その当時大学生で、発売日の午前0時に購入できる、代官山の蔦屋書店に行って購入しました。その時の行列に並んでいた自分がネットニュースにちらっと映ったのがいい思い出です…(笑)

その後ネットカフェに泊まって読んだんだったかな。(すぐ寝てしまった気がする。)

時は経って社会人となって、この作品の舞台となっている名古屋に転勤してきたこともあり、自分としても読み返したい小説の一つです。

まとめ

はじめて村上春樹を読む、という人におすすめしたい作品。

この5作品の選出となりました。

  1. 風の歌を聴け
  2. ノルウェイの森
  3. 国境の南、太陽の西
  4. スプートニクの恋人
  5. 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

なんだか、これを書いていたら、ものすごく村上春樹が読みたくなってきた。

自粛期間も伸びることになったし、何か読み返してみようかな。

今回は、「読みやすい」をテーマにセレクトしてみましたが、

改めて、他のテーマでも記事にしてみたいなー。

家にいる時間が長いこの機会に、 読んだことのない人は、村上春樹デビューしてみてはいかがでしょうか。

ぜひ、気になる一冊があったら、手にとって読んでみてください。

それではまた。

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